フードエンザイムセミナー

こんにちはフィットネス・ウェルネスコーディネーターの田口です。

8月末にFood Emzyme Institute が主催するセミナーを受けにウィスコンシン州に行ってきました。Food Enzyme Instituteとは、最適な健康状態を食事と栄養によって保つ、という信念の元、カイロプラクターであるDr. Haward Loomisによって創立された食物酵素の研究所です。この研究所では、毎年、医療従事者限定でセミナーを開催していて、私は今シーズン初参加でした。7月のセミナー1と併せて計32時間のレクチャー受講後、修了認定テストをなんとかパス。ヘルスケアプロバイダーの肩書きをいただきましたので、今回は食物酵素の大切さをお届けします。

酵素とは、生きている細胞の中で作られるタンパク質の触媒です。大袈裟なことを言えば、体内に酵素がなければ摂取した食物は消化・吸収されません。驚くべきことに人間の体内には3000種類もの酵素が存在し、呼吸をはじめ、食べ物の消化・吸収、代謝、排泄といった生命維持活動においてそれぞれがとても重要な役割を果たしています。しかし、この酵素たち、とても繊細で限られた環境の中でしか働けません。それは、①正しい体内温度(プラスもしくはマイナス5度まで)②十分な水分量(唾液を含む)③正しい水素イオン指数(PH)です。

この3つの中で私が特に興味深かったのが、③の正しい水素イオン指数(PH)です。私たちが摂取した食物は、食道を通って胃に入り、一旦溜め込まれます。

この時の胃(安静時)はPH 5.0 から6.0 です。しかし、肉や、魚などの動物性タンパク質は、PH 7.2から9.0内のアルカリ性の環境下でしか分解・吸収されません。消化管のアルカリ性環境は、胃の先にある十二指腸なので、ここにきてやっと分解・吸収が始まります。動物性タンパク質は体作りのための大切な栄養素ですが、食べ過ぎなどで胃腸での分解・吸収が追いつかなくなると、腸内で腐敗し毒素を作り出します。毒素の解毒ももちろん酵素の仕事(解毒)ですが、それこそ、解毒は大量の酵素を消費するので消化管が疲れてしまいます。

一方で野菜・果物由来の酵素は、PH 3.0 から9.0の幅広いPhの中で活性化するので、胃の中で成分を分解することができます。ということは、野菜・果物などの植物性タンパク質を多く食べれば、体内にある消化酵素をエコモードにできます。体内に常に酵素がある状態だと消化・分解だけでなく、吸収や代謝、排出まで、酵素本来の役割を十分に果たすことができます。つまり、元気です。

じゃあ、野菜・果物由来の酵素、つまり野菜やフルーツをたくさん食べればいいんだ!と野菜炒めや、フルーツジュースをたくさん取るのは、意味がありません。なぜなら、食物酵素もほかのタンパク質と同じように加熱により構造が変化し、酵素の機能を失ってしまうからです。また、缶に入っているフルーツや、野菜は、保存可能期間を伸ばすためのプロセス中に、この大切な酵素が除去されてしまっています。実は、私たちがよかれと思っている食べ物の多くからは、大切な酵素が除去されてしまっている現実があります。これを聞いて私はショックを受けました。なぜなら私は、普段から缶に入っているフルーツ、炒めた野菜を摂取し酵素を補っているつもりだったからです。だから、矢島院長は「健康のために、1日に生のフルーツと野菜を最低でも6サービングス食べましょう」と言っていたんだ、とレクチャーを受けて納得がいきました。6サービングの野菜・果物はだいたい350〜400gくらいです。

また、ここアメリカでは、栄養不足が原因の慢性疾患患者が約10000人いると言われています。しかし、99%の医師は栄養不足と食物酵素の関連性に認識がないため、生体機能の問題であるにもかかわらず、病名をつけられ、生体機能を妨害するような薬を病院から処方されているそうです。

今回のセミナーで、私たちが真に目指すものは、Sick Care Approach= “今ある痛みや問題を薬や手術によって除去する”ではなく、Health Care Approach = “体内の本来のストレス要因を突き止め、食事や消化を改善することによって治す”ことだと学びました。これからは、新米ヘルスケアプロバイダーとして、患者さんの食事面でも健康のお手伝いができるように頑張ります。お気軽にご相談ください。

      田口 ひかり フィットネス・ウェルネスコーディネーター

ja日本語