【ANIS 12月号 便秘】

              

 最近、お子さんの便秘の相談をよく受けます。便秘と一括りにしていますが、食物の消化・排出が上手くできない、つまり、消化不良を起こしているということです。子供の内臓の消化機能は、身体と一緒で成長途上で大人に比べ未発達です。そのため、わりと消化不良は起こしやすいのですが、その症状は嘔吐や下痢が多いです。うまく消化しきれなかったものは早々に体外に出すようになっているからです。子供というのは、通常であれば活動量が多く腸の動きも活発のため、概ね快便、少なくとも1日1回の排便が普通だと思います。中には毎食ごとと言う子もいますね。ですが、最近は幼児でも便秘、または便秘と下痢を繰り返してしまう子が多くいるようです。我が家の子どもたちも、一時期、消化不良からの胸やけや便秘を頻繁に起こしていていました。一体、子どもたちに何が起こっているのでしょうか。

 月並みですが、一番に挙げられるのはやはり食生活でしょう。糖分の取りすぎ、野菜などの繊維質不足、特に、ここアメリカの食事(食生活)は日本に比べて油や塩分が多量に使われており、また、肉や野菜果物などの多くの市販の食素材にも防腐添加物が使われています。消化機能の発達が充分な大人であれば、多少の油や添加物は時間をかけて消化されますが、消化機能が未発達の子供であれば消化不良を起こしても不思議ではありません。そのため、我が家はなるべくオーガニック素材の食材を使うように心がけています。

 次に、子供の全体的な活動量の減少です。日本のように自由に外遊びができないことや登下校がスクールバスであることも関係していますが、やはり一番はスマホやタブレット、ゲームの影響だと思います。今や友達と遊ぶと言うと、それぞれの自宅にいながらオンラインゲームという時代ですから無理もありませんね。
 そして、私が一番懸念しているのは、消化不良の原因が自律神経のバランスの崩れではないかということです。これは幼児・学童期・ティーンエイジャー・(大人も)どの世代にもあてはまることです。母国を離れ異文化の中で生活をし勉強も頑張り現地校に溶け込んでいくのは大人が思っている以上にストレスフルな環境でしょう。過度なストレスが続けば、子供でも自律神経のバランスは崩れてしまいます。そして、心の問題を上手く表に出せない子供たちはそれが便秘という体の症状になって表れてしまうのです。子供の便秘はただの便秘と軽視せず、心と体のSOSと捉えてください。

 私は消化不良の患者さんには、大人でも子供でも、まずは生活習慣を整えることをお願いしています。バランスの良い食事(オーガニック食材の利用や加熱調理をしない生食摂取)や適度な運動、充分な睡眠と同時に、消化エンザイムのサプリメントの摂取*をお勧めしています。食生活を含む生活習慣を整え、体質改善にとりくむことで便秘を含む消化不良症状は徐々に良くなっていきます。

また、カイロプラクティック施術では、背骨の歪みを正すことで自律神経のバランスが整います。実際、カイロプラクティック施術を受けると便通が良くなる方が多いです。ひどい便秘になったから施術を受けにくるという患者さんもいるくらいです。自律神経のバランスが崩れると腸の蠕(ぜん)動運動が鈍くなったり、また逆に過剰になったりします。これが便秘と下痢を繰り返す原因です。さらに続くと過敏性腸症候群などの病気を引き起こします。

 単純な消化不良なら生活習慣の改善と消化エンザイムセラピーを。自律神経の失調からくる消化不良や便秘であればカイロプラクティック施術を。もしくは両方の治療で早期の改善を目指しましょう。

幼児でもストレスからの便秘で排便のたびに浣腸が必要になってしまう重度なケースもあります。大人も子供もエンザイムセラピーとカイロプラクティック治療でスッキリしましょう。
*当院治療メニューのエンザイムセラピーでは、人は体質によって消化が得意・苦手な食物や栄養素があるので、それぞれの患者さんの消化が苦手な栄養素を特定し体質に合ったサプリメントをご提案しています。

Dr. Yoshiro Yajima

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