【ANIS 11月号 股関節 】

こんにちは!フィットネス・ウェルネスコーディネーターの田口ひかりです!アトランタ矢島カイロプラクティックオフィスでストレッチ治療を担当しています。ストレッチで何の治療を?と疑問に思われるかもしれませんが、当院ではドクター監修のストレッチリリースエクササイズ(通称SR)という技法で、筋肉を緩め関節の可動域を広くし身体の柔軟性を高めることで慢性的な関節痛や筋肉痛の緩和治療をおこなっています。

日々ストレッチ治療をしていて思うのが「股関節」がかたい患者さんがとても多いことです。みなさん肩・腰・膝関節の硬さや痛みに対してはとても気にされて治療やトレーニングを頑張られるのですが、なぜか股関節の柔軟性や痛みには無頓着で自覚がない人が多いです。股関節からの痛みを腰痛と勘違いされている方もかなりいらっしゃいます。

中高年になり歩行時に股関節の痛みを伴う場合、約8割が「変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)」と言われています。変形性股関節症は、何らかの原因で関節軟骨が摩耗して変性し股関節が変形する病気です。股関節は、寛骨臼(かんこつきゅう)と呼ばれる骨盤の受け皿の部分と大腿骨頭と呼ばれる大腿骨の球の部分から成る、いわゆる球関節(きゅうかんせつ)です。正常な股関節の表面は、関節軟骨というクッションで覆われており痛みなく滑らかに関節を動かすことができます。しかし変形性股関節症になると股関節に痛みが生じたり動かしにくくなったりしてしまいます。また、発症の8割から9割が女性です。妊娠・出産や毎月の月経で骨盤にかかる負担が大きく、長年の負担が骨盤の歪みやずれになり股関節の軟骨がすり減ってしまうのです。

変形性股関節症の予防には骨盤のずれをなるべくなくしていくこと、適切なストレッチと運動をしていくことが重要です。肥満は、ただでさえ体重の負担がかかる股関節にさらにプラスして負荷をかけてしまうので、適正体重を保ちながら股関節周りの筋肉を緩め可動域を広げてあげること、そして、股関節を支える筋肉、特にお尻の筋肉(大殿筋・中殿筋)を鍛えることが効果的です。

また、予防だけでなく症状や痛みが出てしまった後でも、ストレッチと筋力トレーニングを取り入れることによって股関節の負担や痛みを軽減させ、変形性股関節症の進行を遅らせることができます。

数年前より継続的に担当させていただいている変形性股関節症の患者さんがいらっしゃいます。この患者さんの股関節はガチガチに硬くなっており、階段を上るときに脚が上がりにくく、無理やり上げようとすると痛みが出でしまいます。しかし、カイロプラクティック・アジャストと、私のSR(ストレッチリリースエクササイズ)治療をしたあとは、上がりにくかった腿が簡単に10センチほど高く上げられるようになり、痛みも軽減しています。

しかし、「それならば!」と自己流で運動や無理なストレッチをしてしまうと、逆に股関節に大きな負担がかかり変形性股関節症の症状を悪化させる恐れがあります。さらに、体が自然と股関節を“かばう動作“を行ってしまい、足首や膝の関節に負担がかかってしまい痛みを発症したり、反り腰の姿勢となることで腰痛を招いてしまうこともありますので自己流は要注意です。

 股関節が固いからと言って、かならず「変形性股関節症」になるわけではありません。姿勢や日々の生活・運動習慣も要因になりえますが、生まれつき症状を発生しやすい股関節もあります。

すでに股関節に痛みが出ている方も、まだ発症していない方も、一生涯自分の足で歩き続けるために、今、適切な治療や予防をしていきましょう。中高年世代の皆様は待ったなし!ですよ。「生涯健脚!」夢のようなお話ですが、適切な治療や予防(運動療法)で実現できます。股関節に違和感や不安を感じている方はぜひお気軽にご相談ください。

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